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マケット展によせて |
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マケットは私にとってスケッチのようなものです。 |
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普段の制作でスケッチを描くことはほとんどありません。心の準備が整うとそのまま直接素材に向かい |
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手を動かしてマケットをつくります。 |
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制作のための方針のようなものは一応ありますが、それにこだわることはありません。 |
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下絵を描くこともなく、素材に触り、道具を選び、素材を相手にひたすらつくることに集中します。 |
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制作の過程で起きる事件や事故に対しては、あくまで自由に柔軟に対応します。 |
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マケットの素材は木、土、金属、プラスティック、紙などさまざまです。 |
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特別に用意することもあれば、あるいは傍にあった段ボールや不要になったあらゆるものが対象となります。 |
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綺麗に上手につくることも意図しません。そういう欲に縛られることも避けたいのです。 |
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素朴なエッセンスのようなものが実現出来るとそれだけで満足します。 |
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手を動かしてみると、即座に自分の方向が間違っていることや、こうすればもっと理想に近づけることを、 |
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素材と手(体)が教えてくれます。この声のようなものが聞きたくてマケットをつくるのだと思います。 |
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マケットは素材といっしょにつくる表現のエッセンスで、私の分身だと思います。 |
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この小さなエッセンスのかたまりをお楽しみいただければ幸いです。 |
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五十嵐 威暢 |
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