原イメージは空中に浮いた光でした。
この照明はLED光源が、光の拡散をイメージしたコーン形のアクリルの固まりに支えられて、空中に浮いています。光は下面の球状に膨らんだアクリルと空気の境界により、反射拡散をします。
モノをデザインするという行為は、単にそのモノのスタイリングを決定することだけではなく、そのモノの在り方を考える行為です。
この照明器具は従来の光源に比べて極めて小さなLED光源と透明なアクリルにより、モノのスタイリングを否定する素材で出来ています。
そこで私はカウンターやローテーブルの上に小さな光が浮いている情景を想像し、そこで交わされる会話やその光を感じた人の気持ちを考えました。そしてそれらを邪魔しないフォルムとして、この光をデザインしました。
この光は読書に使ったり、部屋の明るさを確保する為には使えません。しかし、視界の隅にこの光を捉えることで、何か新しい事、何か新しい気持ち、何か新しいイメージの発見が出来れば幸いに感じます。 |