ハンス・ウェグナー デザイン/デンマーク/カール ハンセン社のスリーレッグド シェル チェアです。第二次世界大戦後、ラミネート技術の進歩に伴って、世界中の家具デザイナーが成型合板によるシェル構造の可能性に強い関心を示していました。ウェグナーも例外ではなく、いくつかのシェル構造のイージー チェアを手がけましたが、そのほとんどのものは商品化されませんでした。長らく作品集の中だけの存在であったこの椅子も、今までに何度か製品化のチャンスがありながら見送られていた幻の傑作。しかし、1998年カール・ハンセン&サン社の手によって、図面の他、ウェグナー邸で使われている現物(試作品)をもとに製品化に成功。美しくかつ印象的なフォルムと、腰を下ろした時から体全体に広がるリラックス感を持ったこの椅子は、現代の成型合板の加工技術とウェグナーのデザイナーとしての美的感覚が融合した彼の代表作に数えられるモデルです。
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